第8回オンラインレクチャー おぉ友よ、そんな書き換えではなく!――シェンカーと共に第九の演奏を考える

日時:12月6日(日) 19:00~21:00
講師:西田 紘子 先生


講座概要

「ワーグナーは普段ならとても独創的で優秀であるが、まさに芸術の一番重要な観点、例えば声部進行、構成、楽器法、様式などの点で第九交響曲をすっかり誤解している」(シェンカー 2010[1912], 29)。

ハインリヒ・シェンカー(1868-1935)は、1912年に出版された『ベートーヴェンの第九交響曲――演奏と文献についても常に考慮した音楽的内容の描写』のなかで、ワーグナーの第九解釈についてこのように述べました。

シェンカーはウィーンで活動した音楽著述家・ピアノ奏者。現在は「シェンカー分析」の創始者として知られています。ベートーヴェンのスケッチや自筆譜を研究し、交響曲第3番、第5番、第9番に関する論考や、後期ピアノ・ソナタに関する論考および批判校訂譜も発表しています。

なかでも、第九に関する論考は、楽曲の「しくみ」を解き明かしながら、上記のようにワーグナーら先人たちの解釈や楽譜の書き換えを論破していく中身の濃い1冊となっています。「どう演奏したらよいか」のヒントもたくさん詰まっています。実際、この本は指揮者フルトヴェングラーを触発し、シェンカーとフルトヴェングラーはそのあと一緒に「楽譜に忠実な解釈」を追求していくことになりました。

本レクチャーでは、この「シェンカー第九本」のエッセンスを辿りつつ、指揮者や作曲者、演奏者の方々との対話を通して、第九の楽譜・解釈・演奏の関係について改めて考えてみたいと思います。


講師 西田紘子先生 略歴

九州大学大学院芸術工学研究院准教授。ロータリー財団奨学金を得て2005年より2年間、ウィーン音楽演劇大学博士課程で音楽理論・分析を学ぶ。2009年、東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程(音楽学専攻)修了。博士(音楽学)。著書『ハインリヒ・シェンカーの音楽思想――楽曲分析を超えて』(九州大学出版会)、編著『ハーモニー探究の歴史――思想としての和声理論』、共訳書H. シェンカー『ベートーヴェンのピアノ・ソナタ批判校訂版――分析・演奏・文献』シリーズ、A. ハルム『フーガとソナタ――音楽の2つの文化について』(以上、音楽之友社)などのほか、オーケストラ団体の研究や演奏研究、批評活動を行っている。

参加費 1000円(開催経費として)
参加方法:準備中(近日中に更新します。)


----- 受講に際してのお願い -----

1. 主催者はカメラをオンにして参加する予定ですが、それぞれご事情もあると思いますので、カメラをオンにするのが難しい方はオフでも構いません(音声だけ参加も可)。ただし、お名前は実名表記でお願いいたします。ペンネーム等での参加は認められせん。

当日のイベントの様子は主催者が録画し、後日編集の上配信する予定です。ご参加の際、ご自身の顔などを映したく無い方は、カメラをオフにするなどしてください。

2. 今回はレクチャー形式になりますので、質問のある時以外は、設定を「ミュート」にして頂きますようお願いいたします。レクチャー後半に質疑応答の場を設けますのでその際に、ご発言頂けますようお願いいたします。

3. 会の運営にあたり一般的なマナーをお守り頂ける事を前提としております。暴言や他人を攻撃する行為等、会の運営を妨害していると考えた際には主催者により退室して頂くこともございますのでご了承ください。

庭園想楽

庭園想楽は、日本庭園の精神である不易流行の思想から着想した、未来につながる音楽を創造するために様々な事柄を学ぶための場です。 過去の音楽芸術の研究や、作品の制作、演奏実践等を通して今日の音楽の在り方について問い直していきたいと思います。 また「庭園想楽」に関わる人々が、それぞれの視点から音楽やその他の芸術に関わる美について考え、議論を通して新しい世界を生み出すことを目的としています。